休業手当、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を自動計算する

休業手当

休業手当は「会社都合による休業」の場合に会社負担で労働者に支払われるもので、国から支払われるものではありません。そのため、休業手当は給与所得に該当しますので課税対象となります。なお、雇用調整助成金は休業手当を実際に労働者に支払った会社の負担を軽減するためのものなので、労働者ではなく会社に支払われます。

厚生労働省の見解では、発熱などの症状で労働者が自主的に休んだ場合は休業手当の支払い対象ではないとしています。さらに、緊急事態宣言に基づく各都道府県知事からの就業制限の要請によって休業する場合は休業手当を払う必要はない(条件付き)が、雇用調整助成金を利用して休業手当を支払うなどの努力をして欲しいとしています。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

会社から休業手当が支払われない場合、労働者自身が新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を郵送かインターネットから申請して直接受け取ることができるようになりました。休業した期間に応じて申請期限が決められていますので早めに申請を行って下さい。

 

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休業手当、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を自動計算する

休業時の状態を入力していくことで、受け取れる休業手当、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の金額を簡単に自動計算することができます。下記の2つのうち該当する方を使用して下さい。

A.会社から休業手当を受け取る場合

1.「賃金の支払い形態」を選択して下さい。

完全月給制は、休んだ日があっても月給が全額支払われる形態です。


2.休業になる直近3ヶ月の「給与総額」を入力して下さい。(半角数字)

賃金締切日がある場合は、直近の賃金締切日より3ヶ月となります。3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賞与(ボーナス)は除いて、残業代、住宅手当、通勤手当などは含めて下さい。

給与総額の入力例
賃金締切日:毎月20日、休業日:6月10日~
5月分(4月21日~5月20日)賃金:基本給20万、通勤手当1万(210000と入力します)
4月分(3月21日~4月20日)賃金:基本給20万、通勤手当1万、残業代2万(230000と入力します)
3月分(2月21日~3月20日)賃金:基本給20万、通勤手当1万、残業代1万(220000と入力します)


3.休業になる直近3ヶ月の「歴日数」を入力して下さい。(半角数字)

歴日数とは、土日祝を含めたカレンダーの日数すべてを指します。

歴日数の入力例
賃金締切日:毎月20日、休業日:6月10日~
5月分(4月21日~5月20日)歴日数:30
4月分(3月21日~4月20日)歴日数:31
3月分(2月21日~3月20日)歴日数:28日(うるう年は29日)


4.休業になる直近3ヶ月の「労働した日数」を入力して下さい。(半角数字)

日給月給制の場合は「就業規則などに基づいて会社が定めた日数から欠勤日数を差し引いた日数」を、日給制・時給制の場合は「出勤した日数に有給休暇を加えた日数」を入力してください。完全月給制の場合は入力する必要はありません(※入力しても使用されません)。

労働した日数の入力例
日給制・時給制の場合
賃金締切日:毎月20日、休業日:6月10日~
5月分(4月21日~5月20日)労働日数:20
4月分(3月21日~4月20日)労働日数:5
3月分(2月21日~3月20日)労働日数:9日、有給休暇1日(10と入力)


5.休業手当の「支払い率(%)」を入力して下さい。(半角数字)

会社都合による休業の場合には、平均賃金の60%以上を労働者に支払う義務があります。会社が厚生労働省に雇用調整助成金を申請する場合も、休業手当を平均賃金の60%以上労働者に支払う必要があります。


6.「休業した日数」を入力して下さい。(半角数字)


7.下のボタンを押すと計算を行います。

となります。

こちらの自動計算では、以下の規定にもとづいて計算を行っています。

休業手当

労働基準法第26条において、以下のように定められています。

(休業手当)
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

休業手当は以下のように算定します。

日給月給制、日給制、時給制の場合

(1)原則による算定方法と(2)最低補償による算定方法のうち金額の高い方を平均賃金とします。

平均賃金
(1)原則:休業になる直近3ヶ月の給与総額÷歴日数
(2)最低補償:休業になる直近3ヶ月の給与総額÷労働日数×0.6

休業手当
平均賃金×支払い率(60%以上)×休業した日数

※賃金締切日がある場合は、直近の賃金締切日を起算日とします。
※歴日数は、土日祝を含めたカレンダーの日数すべてです。
※労働日数は、日給月給制の場合は「就業規則などに基づいて会社が定めた日数から欠勤日数を差し引いた日数」、日給制・時給制の場合は「出勤した日数に有給休暇を加えた日数」となります。
※平均賃金の算定で銭未満の端数が生じた場合は、切り捨てます。(昭和22年11月5日基発第232号)
※休業手当の算定で1円未満の端数が生じた場合は、四捨五入します。(昭和63年3月14日基発第150号)

算定例
賃金締切日:毎月25日(日給8千円、通勤手当1日500円)、休業日:2月5日~
1月分(12月26日~1月25日):労働日数20日、基本給16万、通勤手当1万
12月分(11月26日~12月25日):労働日数10日、基本給8万、通勤手当5千
11月分(10月26日~11月25日):労働日数15日、基本給12万、通勤手当7千5百
(1)原則による平均賃金の算定:
(16万+8万+12万)÷(31日+30日+31日)≒3913円04銭
(2)最低補償による平均賃金の算定:
(16万+8万+12万)÷(20日+10日+15日)×0.6=4800円
平均賃金:(1)と(2)で金額の高い(2)最低補償4800円を使用
休業手当:4800円×0.6×休業した日数

完全月給制の場合

平均賃金
休業になる直近3ヶ月の給与総額÷歴日数

休業手当
平均賃金×支払い率(60%以上)×休業した日数

※賃金締切日がある場合は、直近の賃金締切日を起算日とします。
※歴日数は、土日祝を含めたカレンダーの日数すべてです。
※平均賃金の算定で銭未満の端数が生じた場合は、切り捨てます。(昭和22年11月5日基発第232号)
※休業手当の算定で1円未満の端数が生じた場合は、四捨五入します。(昭和63年3月14日基発第150号)

算定例
賃金締切日:毎月20日、休業日:6月10日~
5月分(4月21日~5月20日)賃金:基本給18万、通勤手当1万
4月分(3月21日~4月20日)賃金:基本給18万、通勤手当1万、残業代2万
3月分(2月21日~3月20日)賃金:基本給18万、通勤手当1万、残業代1万
平均賃金:(19万+21万+20万)÷(30日+31日+28日)≒6741円57銭
休業手当:6741円57銭×0.6×休業した日数

参考資料

 

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B.国から新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を受け取る場合(会社が休業手当の支払いを拒否していることが前提)

1.雇用されている企業の規模を選択して下さい。

企業の規模が中小企業、大企業のどちらに該当するかは、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金から調べることができます。

2.休業した期間を選択して下さい。

3.休業になる直近6ヶ月のうち任意の3ヶ月の「給与総額」を入力して下さい。(半角数字)

3ヶ月の給与の支払いがない場合は、支払いがあった月の分だけ入力して下さい。雇入れ日と賃金支払い日の関係で、休業を開始した月より前に支払われた給料がない場合は、休業を開始した月に支払われた給料を入力して下さい(例2)。

給与総額の入力例
(例1)4月10日から休業で、各月の給料が3月:30万円、2月:25万円、1月:28万円、12月:26万円、11月:20万円、10月:25万円だった場合、300000280000260000と入力します。

(例2)4月10日から休業で、3月以前に支払われた給料がなく4月の給料が20万円だった場合、200000と入力します。


4.「休業した日数」を入力して下さい。(半角数字)

休業中に4時間以上の就労等があれば1日とカウントし、4時間未満の就労等あれば0.5日とカウントし「休業した日数」から引いて下さい(例2)。ただし、4時間未満の就労等であっても、所定労働時間が4時間未満の場合に、所定労働時間どおりに就労等している場合は1日としてカウントします(例3)。就労等には、年次有給休暇、育児休業、介護休業、病気による欠勤などの本人の事情による休暇、休業、欠勤が含まれます。

休業した日数の入力例
(例1)5月1日~5月31日まで休業の場合、31を入力します
(例2)5月1日~5月31日まで休業で、10日と14日に6時間(両方とも1日とカウント)、17日に6時間勤務のところ4時間休業し2時間だけ就労(0.5日とカウント)した場合、31日-2.5日=28.5を入力します。
(例3)5月1日~5月31日まで休業で、21日に3時間勤務のところ3時間すべて就労(1日とカウント)、24日に3時間勤務のところ2時間就労し1時間休業(0.5日とカウント)した場合、31日-1.5日=29.5を入力します。


5.下のボタンを押すと計算を行います。

となります。

※地域特例とは、「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」の実施区域かつ、知事からの要請で営業時間などの短縮に協力する新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第11条に定める店舗が該当し、1日あたりの支給額の上限が引き上げられています。

こちらの自動計算では、以下の規定にもとづいて計算を行っています。

休業給付金

休業前賃金日額
過去6ヶ月のうち任意の3ヶ月分の賃金÷90

対象とする3ヶ月は自由に決められますので、給料の高かった月の上位3つを選ぶことで受け取る額を増やすことができます。3ヶ月の給与の支払いがない場合は2ヶ月分の賃金÷60、2ヶ月の給与の支払いもない場合は1ヶ月分の賃金÷30で算定されます。1ヶ月の給与の支払いもない場合も1ヶ月未満分の賃金÷30で算定されます。小数点以下の端数は切り捨てとなります。

1日当たりの支給額
休業前賃金日額×80%

休業前賃金日額の80%が、1日当たりの支給額となります(大企業かつ休業期間が令和2年4月~6月の場合は60%)。小数点以下の端数は切り捨てとなります。休業期間が令和3年5月~12月の場合は上限額が9,900円、令和4年1月~3月の場合は上限額が8,265円となります(令和3年4月以前の場合は11,000円)。ただし地域特例に該当する場合には上限額が11,000円となります。

休業給付金
1日当たりの支給額×休業日数

休業中に4時間以上の就労等があれば1日とカウントし、4時間未満の就労等あれば0.5日とカウントし「休業日数」からマイナスします。ただし、4時間未満の就労等であっても、所定労働時間が4時間未満の場合に、所定労働時間どおりに就労等している場合は1日としてカウントします。

参考資料

 

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