ハローワークの中間サーバーの利用件数が想定よりも極端に低い理由

中間サーバーとはどういったものなのか

ハローワークの中間サーバーは、ハローワークのシステムと情報提供ネットワークシステムを接続するためのものです。情報提供ネットワークシステムは住基ネット、日本年金機構の社会保険システム及び健康保険組合などとも接続されており、これにより今まで手続きに必要だった住民票の写しをわざわざ取りに行く必要がなくなるなど利便性の向上が図られています。2017年までの3年間に約80億円をかけて開発されており、今後も維持管理費として毎年約10億円の予算が計上されています。

想定より極端に低い利用件数

この中間サーバーの実際の利用件数の最大が、「ハローワークと他の行政機関等との情報連携を想定して決められた最大利用件数」と比べて極端に低く想定の0.12%に留まっていることが、4月15日に厚生労働省が作成した資料によって明らかになりました。

想定の月間利用件数
最大利用件数:約308万件
平均利用件数:不明
雇用保険に関する照会:約120万件
自治体への情報提供:約108万件
日本年金機構への情報提供:約33万件
など

実際の月間利用件数
最大利用件数:3,551件(想定の0.12%)
平均利用件数:2,580件

 

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ピークの状態になるのはこれから

月間利用件数が約33万件と想定されている日本年金機構の社会保険システムとの本格的な情報連携が、4月15日から開始されますので今後は利用件数が多少は増えるものと思われます。

厚生労働省の言い分

平成31年4月23日の衆議院の総務委員会での質問に厚生労働省は以下のように答えています。※衆議院インターネット審議中継の動画配信をもとに当サイトが文章に書き起こしたものです。

「システム上で安定的に処理できると想定される最大件数として見込んでいたもので、利用目標として設定したものではなく、設計当時さまざまな行政機関等との情報連携を想定しており最大限利用された場合においてもシステムの安定稼働に支障がないように見積もりを行っていた。」

つまり最大利用件数とは、実際に利用される数を想定したものではなく、システムが不安定にならないレベルで最大限に使用した場合にどれだけの件数になるのかを想定した「最大処理可能件数」であり、費用対効果は一切考慮にいれず安定性のみを重視して決められたものなので、実際に運用を開始してみると想定とはかけ離れた結果となってしまったというわけです。

参考資料

 

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